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イギリスのサウスラナークシャーに暮らすキャノンさん一家には、5年前にボルドー・マスティフ種の犬、アルフィーを飼うことになった。その直後に男の子の赤ちゃん、マーク君が生まれ、一緒に育った両者は離れられない仲となった。

 いつもマーク君のそばにはアルフィ。それが当たり前の光景だったのだが、昨年から、アルフィがマーク君の右側にばかりいることに気が付いたという母親のシャーリーンさん。

 最初は偶然かと思っていたが、とにかくアルフィがマーク君の右側にいることにこだわっていて右側から離れようとしない。ところが一応念のためにと病院で検査をすることに。そこには驚きの事実が隠されていたのだ



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 マーク君とアルフィーは兄弟同然に育ってきた。同い年の彼らはとても仲がよく、マーク君のそばにいつもアルフィーが寄り添う様子を見て、両親はほほえましく思っていた。

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アルフィーはマーク君の右目の異常にいち早く気が付いていた

 ところが去年に入り、両親はアルフィーに少し変わった癖があることに気づいた。実にささいなことなのだが、マーク君が歩いてるときも座ってる時もとにかく右側から離れようとしない。

 念のためということで昨年4月、キャノンさん夫妻は学校の眼科医に目を診断してもらうことに。すると驚きの事実が判明した。

 眼科医によると、彼の右目は先天的な異常による強度の乱視で、今や視界が完全にぼやけているという。このまま放置しておけば失明する可能性もあるので、すぐに精密検査を受けるようにとの診断が下された。
 
 アルフィはマーク君の見えなくなった右側を守るため、常にマーク君の右側にいたのだ。それはまるで盲導犬が常に主人の安全に気を配っている様子にとても良く似ている。アルフィーのこの奇妙な行動に気が付かなければマーク君の目は見えなくなっていたかもしれない。

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実はアルフィーのこうした行動は初めてではないのだ。

 かつてこの家にはもう1匹、一緒に暮らしていた犬がいた。

その時もアルフィーは誰よりも早くこれに気が付いたようで、その犬の後ろ足ばかりをよく舐めていた。獣医に診断してもらったところ、ちょうどその位置に悪性腫瘍があることが判明したのだ。


 もしかしたらアルフィーには、家族の異常をいち早く察知する特殊な能力が備わっているのかもしれない。

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アルフィーのおかげで目の疾患が判明したマーク君。現在は右目の視力を向上させるするために左目に眼帯をつけ、これまでと同様、アルフィーに支えられながら過ごしている。同い年の彼らは今年で共に5歳になった。

 母親のシャーリーンさんは、マーク君が生まれつき目を患っていたこと、そして放置していたら失明するほどだったという事実にいち早く気づき、マーク君をずっと気遣ってくれていたアルフィーに対し、どんなに感謝してもしきれないという。

 我が子のことは親が一番良く分かっていると思いがちだけれど、犬はそれ以上に特別なのかもしれない。
 




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