船旅といえば、海のクルーズから川の急流すべりまで、さまざま存在する。
しかし、フランスにある川下りはちょっと違う! 周りが木立に囲まれた小さな運河をゆっくりとのんびりと進む。そのクルーズは実に爽快である。
そして、船を引っぱり、動かすのはロバ!・・・ん? ロバ!? あの小さいウマみたいな動物の!?
船、進むの!? それ!! ちょっとのんびりすぎでしょ!!
フランスにある世界遺産・ミディ運河はトゥールーズでガロンヌ川から分岐し、地中海に面したトー湖にいたる全長 240 km 、支流部分も含めた総延長では 360 km に及ぶ運河である 。
ミディ運河が出来たの今からおよそ300年前、17世紀、ルイ 14世の時代であるという。
大西洋岸から地中海沿岸に貨物を輸送するための航路を約 3,000 km 短縮するためにつくられた運搬用の人口運河である。
その後、19世紀に鉄道が開通し、輸送ルートの主役の座から降り、現在では運河クルーズで人気の観光地となっている。
エンジンがまだなかった時代に開発されたミディ運河は、岸辺の小道でロバを歩かせ馬力で進んだ、人とロバを暑さから守るため小道には木々が植えられている。
かつて、運河の船旅はこうして、ロバが船を引いて、ゆっく〜りと進んだようだ。
日差しを遮るために45,000本ものプラタナスや糸杉が植えられており、心地よい水辺の散歩道となっている。
今の運河クルーズはコレ! 現代的な船で川を進むのだ!レンタルボートで川をくだる事ができる、しかも船舶免許は不要だと言う!!
船の先にあるトンネル。実はコレ、当時、運河用に掘ったトンネルの人類初の運河トンネルなんだという!
トンネル内は300年の風雨にさらされボコボコとしている。
この運河は丘陵地帯に作られているので丘を越えるため、ロックと呼ばれる水門ができた。
水位を変えて船を上下させる装置なのだ! 今で言うリフトのような装置だ!!
ロック(水門)の通過の様子。
そのおかげで、こうしてなんと、橋の上に運河が流れ、その川の中を船が進むという光景が生まれたのだ!!
船が橋の上の川を進む!!
そしてコレがこの運河のハイライト!
21メートルの高低差を乗り越えるために7つのロックが連続して並ぶフォンセランヌの7段ロック!!
この水門を通り抜けるのに1時間はかかるという!!
17世紀に作られたミディ運河・・・。
歩道の脇に植えられた木々の木漏れ日が心地いい小道の運河で、のんびりとロバが船を引いていく素朴な光景もあれば、ロックと呼ばれる水位を変えて船を上下させる当時最先端の技術が使われていたりとハイテクと素朴が一体となった味わい深い運河であったとは・・・。
これを現代で越えるとするなら、ロボットのロバで船をを引いていくのがいいんじゃない!?
フランス・プロヴァンスにある300年の運河に・・・
ネバー・リバー・グレート!!